概要

まちづくりとは、文字通り「まちをつくる」ことであるが、一般的にこの言葉が使われる場合、「まち」は既存のもので、新たに「つくる」ことを指し示す例は少ない。また、建物や道路といったハード面や、歴史文化などのソフト面を、保護・改善する事によって、さらに住みやすいまちとする活動全般を示す。衰退した地域の復興を目指す再生活動は「地域おこし・まちおこし」であるが、明確な定義をせずに、都市開発あるいは地域社会の活性化など、論じる人によって、様々な文脈で使われているバズワードである。街づくり、町づくりなどとも表記されるが、ひらがな表記が多く使われる傾向にある。

都市部においては住民に住んでいる自地域を知ってもらうような活動も行なわれている(杉並区の「知る区ロード」など) 。「福祉のまちづくり」といった場合、バリアフリー化、ユニバーサルデザインなどのハード志向の話が出る場合と、ボランティア育成などのソフト面の話になる場合がある。これは現代日本のニュータウンの抱える問題そのものであり、住民の特定層が住みやすい街へと改善する活動である。高層マンションの計画や自然環境を破壊する開発計画に対する反対運動などをきっかけに、まちづくりが考えられることも多い。建築基準法や都市計画法だけでは、住みやすい町をつくることができないのではないか、という反省につながり、自治体独自の自然保護条例・景観条例などが検討される場合もある。

一般に、都市とは物的に見れば、幹線道路・鉄道・上下水道・大規模公園などの基幹的都市施設、街割(街区割り・敷地割り)によって形成される街路・小公園等の地区基盤施設と宅地、宅地上に建築される建築物、学校・病院等の公共・関連公共施設などから構成される。こうした諸要素の相互関係を適切に保つことが都市計画の基本的な役割であることから、都市計画の構成要素も、都市基幹施設や公共公益施設の配置計画、街割の計画(市街地開発の計画)、建築(土地利用)の規制に関する計画からなることが一般的である。

人の集まるところには交通が発生する。開発によって人口密度が上がると交通量が増え、既存の交通施設等ではまかないきれなくなることがある。このため、交通計画と連動しつつ、土地利用を適正に計画する必要が発生する。例えば、商業地区と高層住居地区は鉄道の駅から近いところにのみ設定し、大きな道路や公園などの施設を駅から遠くに配置する。

まちづくりとWEBサイトの関係

一昔前まではとても考えられないことだったが、お隣さんを繋ぐまちづくりコミュニケーションがWEBの発展とともに大きく様変わりしてきた。それもこの10年という短い期間に、これまで構築されてきたネットワークの在り方が革命的に変化したと言っても過言ではないだろう。それは、近隣との接触を絶ち、ひいては争いを生むことになる。これまで、顔を合わせてお互いのことをある程度知り合ってきた関係から離れてしまうと、やはり人は疑心暗鬼になってしまうものである。WEBの発展とまちづくりは、多方では良い結果をもたらしているが、コミュニケーションの根本をどこまで保てるかが今後の課題になるのではないだろうか。


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